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JALスカイアンバサダーが紹介する 福岡のエレガンス

2015年3月26日 • 特集
そしてお客様を地産の上野焼でおもてなしをしていた、田川で旅館を営む祖母を思い出します。

JALスカイアンバサダー(福岡)能間 靖子(NOMA SEIKO)万環玄亀 いとなみのエレガンス

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鮮やかな緑の彩色「緑青流し」の上野焼 上野焼協同組合

ユネスコ世界記憶遺産

福岡県の中央部に位置する田川市は、筑豊炭田の炭都として明治以降急激に発展しました。2本の煙突で有名な炭坑節の発祥の地でもあります。当館は、その歴史を伝えます。実際に炭坑で働いた後に絵筆を握った山本作兵衛翁は、築豊のヤマの人々、炭坑・坑夫の仕事と生活、ヤマを訪れた芸人・商人、流行歌、動物から、米騒動などの主な出来事を、力強いタッチで描き、その一枚一枚には解説文も書き込みました。そして自らの体験をもとに明治・大正から昭和初期の炭坑の姿を、驚くべき正確さと緻密さで克明に描いた記録画は、ユネスコ世界記憶遺産に登録されました。
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旧三井田川鉱業所 伊田竪坑の2つの煙突 田川市石炭・歴史博物館

絵ごころ

生粋の炭坑夫でありながら豊かな絵ごころを持っていた山本作兵衛。郷土ゆかりの作家の油彩、水彩、日本画、デザインなどの作品を、収集し展示紹介する田川市美術館。田川の地には、豊かな絵ごころが受け継がれています。絵ごころは、写実に描くことだけではなく、描くものや、時代の躍動や気を捉えて絵とするこころでもあります。
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「百虎寄行」 タイガー立石 田川市美術館蔵

品格

「漢委奴国王」と刻まれた金印が、福岡県の博多湾に浮かぶ志賀島(しかのしま)で発見されました。紀元57年に中国・漢の皇帝から送られた金印です。漢では官位につくと、文書に使う印を与える制度があり、同じように古代中国の皇帝は、外交施策として、異国の王にも金印を与えていました。これはまた、日本列島に格式という価値観が伝わった象徴でもあります。また、日本文化は古代から、品格という価値観を美的感覚から育てます。格式も大事、品格も大切、それが古代からの日本文化でした。
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国宝・金印「漢委奴国王」福岡市博物館蔵 福岡市東区志賀島出土

香るもの

絵ごころは、視覚だけではなく皮膚感覚でも捉えるもの。品格は、見た目だけでなく五感でも感じるもの。鮮やかな緑の彩色「緑青流し」の上野焼は、白糸の滝を中心にする奇岩溢れる3km程の上野峡の渓谷が、絵ごころで写し取られています。そして渓谷の湿気や風の皮膚感覚が、凛としたその品格となっています。だからそこには香りがあります。

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yasudaJALスカイアンバサダーが紹介する 福岡のエレガンス

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  1. 万環先生

    田川は、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産登録の勧告がなされた官営八幡製鐵所に石炭を供給していた炭都です。生粋の炭坑夫であった山本作兵衛が描いた、ユネスコ世界記憶遺産の田川炭坑記録画は、明治日本の産業革命を支えた、日本の前近代的な山の神と人の暮らしぶりを伝えています。

  2. 玄亀先生

    山と山の神と暮らすのが、山彦(やまびこ)からの日本の歴史です。そこには、天狗も出てきますし、人形を操り漂白する芸能集団、傀儡子(かいらいし)も登場します。日本列島の山をワタリ、山と暮らし、里を訪れる何者かたち。日本の歴史は海から始まりますが、歴史を動かすのは山。明治日本の近代化も、山が動いて前に進むのです。

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