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JALスカイアンバサダーが紹介する 愛媛のエレガンス

2015年3月26日 • 特集
松山の街に降り立って目にする坊っちゃん列車。街中に響き渡る坊っちゃん列車の汽笛は、昔から変わることなく私を出迎えてくれます。そして、幼いころのアルバムに家族と写る道後温泉。

JALスカイアンバサダー(愛媛)石川 あかり(ISHIKAWA AKARI)万環玄亀 いとなみのエレガンス

東博_松林図屏風(左隻)LL_C0028019.X1

今治タオル 四国タオル工業組合

万葉の湯

万葉集の額田王の歌に「にきたつ(湯が煮えるみなと・津)」の地名で登場する伊予国・愛媛。その道後温泉は、皇族・朝廷とかかわる歴史が古代からあります。伊予国・愛媛は、中国大陸や朝鮮半島と奈良の都をつなぐ文明の大動脈。万葉集に歌われるということは、こころも身体も癒す道後温泉とともに、温順なる愛媛の人が、都の朝廷を支えたという歴史も伝えます。
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重要文化財 道後温泉本館

漱石のこころ

松山市内と道後温泉をつなぐ坊っちゃん列車は、イギリス留学のあと松山の旧制中学の教師を勤めた夏目漱石の小説『坊っちゃん』に由来します。漱石は明治期末から大正期にかけて、日本人のこころについての作品も残しています。西洋文明をもとに近代化に邁進する時代でも、作品を通じて漱石が保存した温順なる日本のこころの価値は、今も色褪せることはありません。
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坊っちゃん列車 伊予鉄道

文明の温もり

城山の中、松山市一番町に建つ萬翠荘(ばんすいそう)は、大正11年(1922)旧松山藩主の子孫久松定謨(さだこと)伯爵が建てたフランスルネッサンス風の別邸で、国の重要文化財。西洋文化が自然に根付いている象徴です。同じ大正期にヨーロッパから導入した高級ジャガード織から育った今治タオルと同じです。それらは渡来した科学や文明を温順なこころで受け止めた歴史でもあります。
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国の重要文化財 萬翠荘

こころと鏡

松山市の天山神社北遺跡出土遺物からは、倭の五王時代(5〜6世紀)の中国製の鏡が出土しています。古代日本には、鉄器と青銅器がほぼ同時期に渡来。鉄器は主に農具や武具に使われ、青銅器は祭司に使われ、地に埋葬もされます。温順なこころは、気候風土だけではなく、渡来した文明を使い耕かされて形作られたのです。

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  1. 万環先生

    青銅器時代は中国では紀元前3000年頃〜紀元前400年頃。鉄器が中国で広まるのは、紀元前700年頃〜紀元前400年頃。青銅器と鉄器では、時代に2000年近くのズレがあります。ほぼ同じ時期に渡来した日本の古墳時代には、青銅器はクニのシンボルに、鉄器はクニの開拓にと、棲み分けて使用されます。

  2. 玄亀先生

    汽車と温泉、動力と脱力。伝統は陳腐化しにくく、また孤立化しやすいものです。豊かさは、必ずしも伝統や歴史から生まれません。渡来した新しいものも使ってその特性を見極め、また伝統も織りを変えてともに棲み分ける。それが今治タオルであり、漱石の坊っちゃんです。ズレを活かしてこそ、豊かさは生まれます。

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